水素

甘い匂いの胸元が、シャワーヘッドに透過してスペクトル
私の融点を探して
プリズムから手を振って
まどろんだ輪郭をなぞる、君
押し倒して その背中が嘆く前に
やさしくゆらめく
幻を孕んだ水槽

溶け出す午後の首筋が、しなやかにためらってメロウ
君の密度を保って
カーテンから微笑んで
恥じらった凹凸を見ないふり
引き上げて その背中を隠す前に
それでも月は輝く
「吸いそう」